神様のおきにいり2

神様のおきにいり〈2〉びしゃがつくの巻 (MF文庫J)
妖怪など人ではないモノが見えるようになった主人公が、新たに登場したヤマイヌも関連して、不思議な事件に巻き込まれていく話。
前巻にてあまりに影が薄かった幼馴染が頑張って自己主張をはじめました。メガネ・おさげの地味っ子ですが、けなげにも張り合おうとする姿は涙を誘います。MF文庫Jらしく、女の子キャラがたくさん出てきてわいわいというのはあるんですが、どこか牧歌的で和みます。主人公がヘタレでなく、むしろ信念をもって行動しており、女性キャラもビッチでないどころか知的で示唆に富んだ言動が多いためでしょう。
ストーリーも単純な勧善懲悪などではなく、考えさせられるようなところもあったりします。前の巻での行動がしっかり今回の伏線になっていたりと、展開の妙は見事です。おバカなキャラが人の話を聞かず空気も読まずに大騒ぎして引っ掻き回すようなチープな展開は一切ありません。読後満足感はかなり高いです。個人的にはこのシリーズは相当な良作だと思ってます。家神である珠枝との今後も気になるところ。一気に読みたくなります。