さくらファミリア!

さくらファミリア! (一迅社文庫 す 1-2)
いまだに新品を見たことが無い一迅社文庫
マイナーレーベルながら品の無い表現を嫌い性的描写などに厳しい制限があるという。
そんな規制に挑戦するかのようなハーレムものです。

ある日主人公の家に女の子たちが転がり込んできて云々という使い古された時代劇のようなテンプレ設定ですが、内容はキリスト教的ウンチク盛りだくさんな神々しいアホ話でした。最後まで読めばユダの死因に詳しくなれることうけあい。

この作者さんの本は以前「さよならピアノソナタ」を読んでおり、その際には文章の硬さと漂う暗さにあてられてやや辟易もしたものですが、気づいたら本書で通算6冊目で、なんか慣らされてきたというか気づいたら読んでるというか。
マイナーレーベルのせいか、電撃よりものびのびとした風すら感じます。こっちを先に読んでいたら作者への印象は変わったかも。
でもハーレム設定のくせにそれを生かしたようなイベントがただの一つも入っていないのは、レーベルの規制のせいなのか、作者の方針なのか。思えばさよならピアノソナタの時もこんなおいしい設定を何故全力でスルーするのか、なぜここでイベントを挟まないのかと吼えまくっていた気が。。。。