三日目

上海という都市は渋谷のような商業的賑わいと新宿のような高層ビル街を併せ持つ、非常に活気のあるところです。
建設ラッシュもすさまじく、街のあちこちで工事が行われ、30〜40階建てのマンションやら商業ビルやらがニョキニョキ立っています。スケール感が狂って10階建て程度の建物が低く見えるくらいです。
しかし、中国で長く仕事をしているお客さんは「中国が共産主義であることを忘れるなよ」としつこく言います。良し悪しはともかく、共産党の一党支配であり、国の方針は全て共産党の意で決まっているというのは厳然とした事実です。今は、共産党が「先に富めるものから富め」と言っているので、みなそれを忠実に実行しているわけです。
長年の歴史に培われた資本主義ではなく、政策的に導入された資本主義ですから、一朝一夕には資本主義の根幹たる競争原理というものは広まっていかないのだな、と思うのは主に食事のときです。
観光客向けやホテルなどのレストランはサービスが行き届いておりますが、現地滞在員などが行く定食屋のようなところでは、まったくもってサービスがありません。愛想がないというレベルではありません。店員が客のためとか店のためとかいう考えで動いていないので、自分にとって面倒なことはとことん面倒くさがるのです。食事をしていたら、早く帰りたい店員がお皿を勝手に下げてしまうとかは良く聞く話、ラストオーダー近辺になるとオーダー自体が嫌がられますし、店員がかったるそうに店内を歩き回ったり、料理を適当にテーブルに放ったり、ビールを出し忘れていることを指摘したら逆切れしたりと、さまざまなハプニングに遭遇できます。たかだか3日でこれだけ経験できるのですから、すごいことですw
良いサービスをしてお客さんに感謝されるとうれしいとか、目先の手を抜かないことで長期的には大きな得につながるとか、そういう商売人の原理のようなものが中国に定着するのはまだまだ時間がかかるのではないでしょうか。

明日はホテルをチェックアウトするのですが、あらかじめチェックアウトする時間を通知しておかないとフロントのおねーさんは起きてくれないそうなので、今日事前にフロントに行きました。なんて面倒。

今日はお昼にネギと鶏肉を細くきったものが大量にのったラーメンを食いました。うまかったうえにお値段なんと26元(約400円)。おととい食べたお粥はそういえば8元(約130円)でした。食べ物の値段は素晴らしい。中国製野菜とか気にしない!